Special Interview Vol.019
指輪ホテル インタビュー













指輪ホテル インタビュー



指輪ホテルの羊屋白玉さんに伺いました。



Q.指輪ホテルってなんですか?

A.指輪ホテルは、羊屋白玉が、劇作と演出、ときどき俳優をつとめる「作品の連続体」です。廃工場やテニスコート、書店、レストラン、ストリップ劇場など、オルタナティブスペースでの空間演出と、国内外を問わず女性パフォーマーのみで構成されるドラマツルギー(演劇論)を通して、死生観や世界観のあり方を提示してきました。作品は、「少女という表象へのこだわりと、脱力という感覚をけっして捨てない徹底ぶり」「楽天的な未来と強い生命力に溢れる寓話的な舞台」「斬新なビジュアル、奇想天外な発想」「上質のファンタジー」「数少ないアンチエスタブリッシュとして、価値転倒的な『キャンプ』的感覚をもって現実の社会にたいして意義を唱え、オルタナティブな社会像を提示し続けている」「アンチリアリズムに徹した観念的な虚構の世界を舞台に現出されるという点で羊屋は近代以降の日本の劇作家としてはまれな資質をもっている」と評され、ニューズウイーク日本誌において「世界が認めた日本人女性100人」の1人に選ばれ、表紙を飾りました。

03年、「It’s up to you」が、アジア女性演劇フェスティバル招聘され、優秀賞受賞しました。06年、「Candies」が、アメリカポートランド市でのコンテンポラリーアーツフェスティバル「T:BA」に、招聘され、「今フェスティバルにおいて、最も成功した公演であった」と評されました。国際共同製作や、フィルム作品など、国内外問わず活動の幅を広げています。

これまでに、指輪ホテルが訪れた街は、東京、札幌、別府、大阪、京都、取手、マニラ、ベルン、パリ、カーディフ、ロンドン、グダンスク、サンパウロ、ポートランド、ニューヨークです。


Q.指輪ホテルの作品はどのようにうまれますか?

A.指輪ホテルは、劇団ではないので、劇作家である羊屋白玉が、所属する俳優の為に、あてがきなどして戯曲をかきおろすというプロセスはありません。

演出家でもある羊屋白玉が、作品のコンセプトの種を、説明できるようになった時点で、俳優やスタッフやマネージメントスタッフを集め、コンセプトに基づく話し合いや、リサーチやドラマターグを経たクリエーションを続け、作品の構造をたちあげます。その後、その作品に関わるメンバー全員でリハーサルと称して、上演に向けて磨いてゆきます。

そのため、指輪ホテルの作品に決まった形式はなく、決まったメンバーは存在しません。あるのは、あらゆる舞台芸術の境界のむごうがわを見つめるための想像力や、愛らしくも哲学的な知的好奇心、日常会話と舞台の声の共有、許された時間のなかで、未来に向けて、多様な文化的記憶を受け入れる方法、指輪ホテルは、それらを実践し、舞台化するコミ二ュティです。





ありがとうございました。これからのご活躍も楽しみにしています。




次回公演

指輪ホテル 『Candies~girlish hardcore』

3/4(木)~3/7(日)

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