「アシカツ」主宰の添野豪さんにお聞きしました!


 「アシカツ」について教えてください。

 04年に結成された演劇集団です。劇団ではないんです。もともと僕はお笑いをやっていたんですが、お笑いをやめて役者を目指そうと決めた時、どうやったら役者になれるかわからなかったから、雑誌を見てパッと決めた「松濤アクターズギムナジウム」に入ったんです。そこを卒業する時、芝居は続けていきたいけどこの先どうなるかわからないってことになって……。同じように思いを抱いていた仲間が集まってできたのが、この「アシカツ」なんです。


ずっと野田秀樹さんの作品をやりつづけていますね。

 
好きなんですよ、野田さんの世界が。野田さんの本っていろんな解釈ができるんです。読んだだけじゃわからないんですけど、実際に動いてみると、転換も多くて、空想の世界にまで飛べる。演じ手次第でどうにでもなる。自由なんです。実際に野田さんがやっているのを見ても、大舞台をひとりで埋められるぐらい動き回る姿はすごい。こういうのはたまらないなって。そうやってアシカツで4回ぐらい続けた時に、そういえば野田さんの芝居をやり続けている団体ってないよね、それが「アシカツ」の色ってことでいいんじゃないかって(笑)。
 そもそも「松濤アクターズギムナジウム」に通っている時に、ワークショップをやってくださった先生が、夢の遊眠社時代から野田さんと一緒にやられている高都幸男さんだった。その影響がすごく大きいと思います。身体動かして芝居をすることの気持ち良さを教えてもらって、それがとても僕には合っていたんですね。






美術や照明にもすごくこだわりを感じます。

 
かなり時間をかけて準備しています。すでに野田さんの本があるという強みですね。僕自身そういう作り方が性に合っているんです。1回目の時なんて、演出のやり方もわからないので8ヶ月も稽古したし(笑)。これも高都先生の教えでした。とにかく稽古はたくさんやれ、と。結成した当時は美術も自分たちでやっていたので、家具職人の兄の添野順に頼んで、毎週土日みんなで半年かけて作っていたくらいで。
 今は芸術家肌のスタッフさんたちと出会えたことで、自分のやりたいことをじっくりと考えながらやらせてもらえる。美術の打ち合わせも半年前ぐらいから始めて。照明も通しを2ヶ月前に見せて、ちゃんと計算してもらう。ちゃんと相談して考えてもらってやれるのがうれしいですね。





今後の展開について教えてください。

 
「アシカツ」で演劇界に衝撃を! とか、「アシカツ」を世界に広げよう! とか、そんな野望は全くないです(笑)。自分の好きな世界を、好きな役者さん、スタッフさんと一緒にやって、来ていただいたお客さんにお金以上に楽しんでもらえたら、それが一番の幸せですね。小劇場の演劇の魅力がもっと広まってほしいとは思いますけど、それを「アシカツ」でできるかどうかは正直わからない。ただ、野田さんの作品ですら知らない人たちにも過去の作品を知ってもらって、野田さんの作品を通してこういう世界もあるんだなって100人に1人でも思ってもらえたらいいな、と。
 「アシカツ」に関しては3年に1回、好きなことをできればいいと思っています。逆に言うと、今見ないといつ見られるかわからないというところもあります。だから見れる時には是非!(笑)



添野さん、インタビューありがとうございました!





■ アシカツ
『農業少女』 会場/d-倉庫


【キャスト】
Aチーム, 浅川薫理(絶対安全ピン), 澤村一博(電動夏子安置システム), 添野 豪, 新野アコヤ(宝井プロジェクト)
Bチーム, 尾神明日香, 星野恵亮, 市森正洋(シリアルナンバーズ), さかい蜜柑

【タイムテーブル】
2012年3
28日(水)
29日(木)
30日(金)
31日(土)
41日(日)
12:00
B
13:00
A
15:00
B
A
16:00
A
B
19:30
A
A
B
B

【チケット料金】
前売一般 ¥2,800 
当日    ¥3,000 
ABセット券 ¥5,000

【チケット取り扱い・お問い合わせ】

http://ashikatu.sensyuuraku.com/index.html


アシカツ」Website