interview no.116  ミュージカル座
 



■ミュージカル座
http://www.musical-za.co.jp/
新しい国産ミュージカルの創造と普及を目的に、1995年、専門学校舞台芸術学院ミュージカル部の演技講師を務めていた脚本・演出家ハマナカトオルが創立したミュージカル劇団。3度に渡る東京芸術劇場ミュージカル月間優秀賞を受賞、文化庁芸術創造活動特別推進事業採択団体に選ばれるなどの高い評価を受け、日本を代表する創作ミュージカル劇団のひとつとして活動中。
昨今は代表であるハマナカトオルに加え、ミュージカル座から育った複数の演出家により年10本を越えるペースで意欲的に上演している。「BEFORE AFTER」の演出家、中本吉成もその一人。オリジナルミュージカルに限らずブロードウェイミュージカルから時にはストレートプレイまで新たな試みを積極的に行っている。

★「BEFORE AFTER」の演出家、中本吉成さん(ミュージカル座)にお話を伺いました。

    今作品は海外の方に依頼をして作ったミュージカルと伺いましたが、依頼の際のコンセプトは?

僕はいつも「少人数で、場所を選ばず」に出来るライヴの様なミュージカルをやってみたいな、と思っていました。もちろんライヴの様なというところが重要で、音楽が良くなければこの企画が成立しないと言う事は明らかでした。そんな時、吉田英美さんからスチュアート・マシュー・プライスさんを紹介され、彼の音楽を聴いて、これなら間違いない!!と思い「BEFORE AFTER」を依頼しました。
イギリス人である彼自身の感性を活かした少し大人のラヴストーリーを書いて下さい、というだけの無茶ぶりで、素晴らしい作品が届きました。

    「BEFORE AFTER」原案・作詞・作曲のStuart Mathew Priceさんはロンドンではどのような活動をされている方なんですか?

ウエストエンド、ロンドンを中心に活動している役者であると同時に、十代の頃から自身で作品を書かれていて、オリジナル曲を含めたCDも制作されています。役者としては2007年に「Parade」でデビュー。その後「Sound of Music」「Shrek The Musical」(オリジナルロンドンキャスト)「The Rocky Horror Show」や、コンサートにも多数出演。最近はプロデューサーとしても活躍しています。



    打ち合わせはどのように行われたのですか?

Skypeとメールのやり取りを日々続け、約1年かけて出来上がりました。ロンドンでワークショップ(Hadley Fraser & Caroline Sheen)を行い、修正をいれて日本初演(2014年11月)にようやくたどり着きました。

    1年の制作過程を今振り返ってみていかがでしたか?

お互い初めての事ばかりだったので、ただただ夢中に仕事をして気づいたら1年が経っていました。スチュアートの案を基に脚本家のティモシー・ナップマンさんがシーンを書き、スチュアートが曲を書く。その曲にインスパイアされ、またティモシーがシーンを書き、出来上がったシーンを吉田さんが翻訳し、私たちのもとに届き、フィードバックの積み重ね。更に、ロンドンにてワークショップ公演を行い、経験豊富な参加者からの意見を参考に、また細かい調整を入れるという大変恵まれた過程を経て一つの作品が出来上がりました。



    海を渡り、多くの方の手にかかって仕上がった「少し大人のラヴストーリー」印象はいかがでしたか?

日本人には無いセンスを用いたラヴストーリーに仕上がっていて、やはり依頼してよかったと思いました。「誰もが経験する忘れられない恋」という普遍的なテーマでありながら、今までにないミュージカルになったと感じています。



    今まで演出してきた作品との違いは?

とにかく音楽が素晴らしいので、かなりシンプルな演出にしています。出来るだけゴチャつかないようにスムーズな場面展開を心掛けていますね。
ベンとエイミー、2人の役者さんの組み合わせでも班ごとで違う動きを付けたりします。是非色々な組み合わせで観てもらいたいです!

このミュージカルが小、中劇場を問わず、ライヴハウスなどで日本のミュージカル役者に長く愛され続けていく事を望みます。


ミュージカル座
『BEFORE AFTER』
日程 > 12/17(木)~20(日)
Tel > 048-825-7640
URL > http://www.beforeafterjapan.com

  12/17 12/18 12/19 12/20
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