interview no.123  いだくろ
 
    いだくろとは?

2007年にデュオを結成。常に大切にする生命の根源や、生物の醜さや美しさ、さらには社会に対する問題意識を作品に落とし込み提案してきた。
また、数ある表現方法の中から、人間という生命体の肉体を表現媒体として、クリエイションを重ねてきた。提案する作品は国内に収まらず海外でも高い評価を受けている。
2012年から2017年の5年間各々の活動をするため活動休止していた時間を経て、この度2017年に再結成をし、自主公演において新作上演する。



【参考資料:産経新聞】 http://www.sankei.com/sports/news/130113/spo1301130022-n2.html
 日本人女性ダンサーペアが、昨年11月にベラルーシで開催されたコンテンポラリーダンス(現代舞踊)の国際コンクール「インターナショナル・フェスティバル・オブ・モダン・コレオグラフィ・イン・ヴィテブスク」(IFMC)で優勝した。慣れない異国での大会とあって、ハプニング続きの中で栄冠を手にした。1987年から始まり、今回が25回目と歴史のある大会で、優勝は日本人初の快挙だ。(藤原翔)
 2人は富山出身の井田亜彩実さん(26)と東京出身の黒田なつ子さん(26)。筑波大在籍時にペア「いだくろ」を結成した。以来、体を使った表現が特徴的な現代舞踊でソロとして活動する傍ら、ペアでも数々のコンクールに出場している。
 一昨年9月に東京都内で開かれた「第1回ダンス・クリエーション・アワード」の創作部門で2位となり、日本代表として今大会に出場することが決まった。米国やフランス、イタリアなど世界各国から約40チームが参加し、審査委員長はロシアを代表するボリショイバレエ団で活躍したウラジーミル・ワシーリエフが務めた。
 2人が踊ったのは、大学時代に創作した「The world of microscopic(ごく小さな生き物~40億倍の世界から覗いてみたら)」。巣や穴に生息する小さな生物の世界を表現した作品だ。「目に見えないような小さな生物にも様々な生き方がある」というメッセージが込められている。だが、問題はダンス内容よりも、周囲の環境との戦いだった。
公用語がロシア語の現地では通訳との意思疎通がうまくいかず、練習場所すら満足に確保できなかった。照明や立ち位置の確認などのため、リハーサルの時間に舞台に上がると数秒で「終了!」と関係者から追い出された。さらに4日間で3度演技し、「1度目が予選で、2回目が準決勝。最後が決勝」と説明を受けていたが、実際は2回目が決勝で、エキシビションとなる3回目の演技の前に、「大会主催者から花束と額をもらい、優勝したことに気づいた」(黒田さん)という。
 それでも並み居る外国勢よりも高い評価を受け、井田さんは「外国人のダンサーは手足も長いし、いくらでも回ることができる。そんな中で、自分たちが表現した世界観が評価されて、うれしい」と声を弾ませる。黒田さんも「いろいろな方に作品を見てもらうために、海外のコンクールにもどんどん出ていきたい」と今後の意気込みを語る。
 現代舞踏発祥の地である欧州の代表らを押しのけて、名誉を勝ち取った日本人ダンサーペアの今後の活躍に期待がかかる。

    日イ Pertnership Art Projectとは?

このプロジェクトは、幅広い表現のフィールドで作品が創作されていくことを目的としています。今回はイスラエルと日本を対象に、更に今後も国境を越えて可能性を模索していく企画です。

    今回の作品について

<人類(いきもの)のすすめ -Who am I to you->
この世界に存在する人類(いきもの)は、その時代の環境に適応した進化を遂げて、今の「身体=かたち」が存在している。人類が構築した科学技術は、私たちの身体へどのような影響を及ぼし、進化をとげるのだろうか。今日の私たちは、未来の未知な「いきもの」が存在する世界に希望をもてるだろうか。今生きる私たち人類が、未来へ問う。身体の本質に迫る最新作。


    作品を通して

 私たちの作品は、人類が今後生きて行く上でどのような課題と向き合い、どのように生きて行くべきかを問い続けている。
また、その時代の課題に対して自身の肉体を媒体として、様々な生き物の動きや全く別の個体のモーションをマテリアルの中に組み込み、あらゆる角度から、人類という生き物のあり方を模索し表現に繋げている。

 本来、 生命体が持ち合わせていた、身体の機能を媒体に「生きる」ということに目を向けることの大切さを忘れてはならない。

 かつて生物が持っていたかのように、身体のセンサーを張ること。
 頭に打ち込まれる情報に呑み込まれずに、何が私たちの心を突き動かすのか。 地球、宇宙が生むエネルギーを感じ、エゴのない<ピュア>な身体で世の中を捉えられる感覚。

 それこそが、現代社会の中で私達が身体を通して表現することの意味であると感じている。

 いだくろが、何故二人で表現をしているかという観点について、生き物は「1つの個体では生きて行く事が果たしてできるのだろうか」ということも、今までの作品を通して見えてくる大きなテーマである。

 私たちが進んでいる道のりは、この「人類(いきもの)のすすめ」という、まるで人類の壮大な辞典のようなテーマに向き合い続ける事が重要であり、過去の人々の記憶に「かたち」として刻まれる事に大きな意味があると思う。

 今を疑い、自分を信じて、互いを思いやり、人類は今後も生き延びて行かなければならない。今後もっと過酷な未来が待ち受けていると思う。けれど作品を通して、私たちは、どうにか何か一つでも希望と思える瞬間を提案できたら、それは、一握りではあるが、未来の「生きる術」になるかもしれない。

 今後も、未来の記憶に残る作品を刻んで行けるように、一瞬を共に大切に構築していきたいと思う。

【いだくろ : 略歴】
2007年 アーティスティック・ムーブメント・イン・トヤマ 富山県知事賞
2009年 Yokohama Dance Collection R 09 本選
2010年 NEXTREAM21 優秀賞
     作品「たまご か たまご」
2011年 Dance Creation Award 2位
     自主公演開催「Park」
2012年 インターナショナル・フェスティバル・オブ・モダン・コレオグラフィ・イン・ヴィテブスク(IFMC)1位。


  

いだくろ(井田亜彩実・黒田なつ子)自主公演
【日イ Pertnership Art Project】
『人類(いきもの)のすすめ - Who am I to you -』
2/6(月)
開場19:30 開演 20:00
natsuko_kuroda@yahoo.co.jp
https://www.facebook.com/Idakuro.idakuro/
※ 今回は一回公演のため、恐縮ですが、先着 【限定100名】とさせていただいております。
※完全事前予約制になっております。