|
|
2018年 4月4日(水)~22日(日)
開演 7:00 PM ※8日(日)&21(土)14:00&19:00、22日(日)14:00のみ
※受付開始は開演60分前、客席開場は30分前
※開演後は入場できない場合がございます
4月4日(水)&5日(木)
サイマル演劇団 / 隣屋
7日(土)&8日(日)
身体の景色 / 初期型
10日(火)&11日(水)
ダンスの犬 All IS FULL / 楽園王
17日(火)&18日(水)
7度 / 風蝕異人街(札幌)
20日(金)~22日(日)
IDIOT SAVANT theater company /
劇団シアターゼロ(韓国)
※2団体による「ハムレットマシーン」2本立て上演。出演順は未定
※各公演初日終演後に2団体によるアフタートークを開催
22日(日) 16:15開演
シンポジウム「実演家 vs 実演家 上演作品の相互批評」
司会:藤原央登(劇評家)
※参加できない団体もあります。
入場料500円
※本フェスティバル入場券・通し券持参で無料
|
|
現代の著名な劇作家の作品を一本だけ取り上げ、連続で上演する「現代劇作家シリーズ」第8弾。今回は「ハムレットマシーン」をセレクト。僅か数ページのテクストの中に様々な引用や暗喩が織り交ぜられた、従来のドラマ形式を解体した金字塔ともいえる作品。ミュラー自身作品を書いた当時、上演不可能と言っていたテクストに演劇・ダンス・パフォーマンスなどのジャンルを超えた全10団体はどう挑むのか?
テキスト:『ハムレットマシーン シェイクスピア・ファクトリー』(未来社) |
会 場
d-倉庫
荒川区東日暮里6-19-7
日暮里駅南口より徒歩7分 > Access
料 金
前 売 2,500円 ― 学生 2,200円
当 日 2,800円 ― 学生 2,500円
通し券 7,500円 ― 学生 6,000円
★学生は要学生証
★通し券はd-倉庫のみで販売
|
予約・問合せ
E-mail > d-soko@d-1986.com
TEL. 03(5811)5399
(月曜定休18:00~23:00)
チケット取扱い
下記アドレスから予約後(要登録・無料)
セブンイレブンですぐ発券
> カンフェティチケットサービス
|
★チラシ誤植のお詫びと訂正
現在配布しておりますOM-2「ハムレットマシーン」公演チラシと本フェスティバル公演チラシにて記載ミスがありました。
詳細は下記になります。
>>フェスティバル通し券 誤)7,200円 正)7,500円 ※OM-2「ハムレットマシーン」チラシ 関連企画欄
>>シンポジウム 誤)22日(火) 正)22日(日) ※「ハムレットマシーン」フェスティバルチラシ 表面
謹んで訂正いたしますとともに、お客様及び関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
「ハムレットマシーン」フェスティバル 予約フォーム
●このフォームでご予約のうえ、公演日受付にて料金をお支払下さい
●満席になった場合、ご予約を受付できない場合があります
●予約フォームでの申し込みは、公演日の2日前まで受け付けます
●選択ができない日程は前売り完売です
|
|
|
サイマル演劇団
4月4日(水)19:00 & 5日(木)19:00
演出:赤井康弘 出演:葉月結子 山本啓介 羽生直人 他
95年仙台で旗揚げ。01年東京に拠点を移す。06年「演劇フリースペース・サブテレニアン」を設立。独特の発話と硬質な身体性を元に作品を作っている。17年に韓国公演。代表作に『授業』『ナジャ/狂った女たち』等。
info@subterranean.jp
僕は物語からなるべく離れることを旨として、演劇をつくってきた。「物語る」ということが、僕には切実なものとは感じられないのだ。
ハムレットマシーンは果たして物語なのか? 一遍の詩であるようにみえる。
俳優がストーリーに隷属することを避けたい。
東ベルリンからヨーロッパの地平を眺める眼差しと、東京からアジアを眺める眼差しがかぶって見える。
ハムレットがガートルードを想う気持ちは何事か。
ハムレットがそそり立つのはどこ? 母の寝床で、ハムレットはそそり立つ。彼はハムレットか? 国王が斃れ、新王がまとわりつく。母親は切なく佇む。
あらゆる権力について抵抗したい。それは感情なのか思想なのか。第一に抵抗。解釈はその後。
その目的は「美」でもなければ、無論「倫理」でもない。ただ「裏切り」への決意があるだけだ。「決意のための決意」「裏切りのための裏切り」によってこそ芸術が決定されると私は思うのである。
全ては同時に存在する。物語も身体も。人も物も。
|
|
隣屋
4月4日(水)19:00 & 5日(木)19:00
14年旗揚げ。演劇をする団体。三浦雨林(作・演出/青年団)主宰。他に、永瀬泰生(俳優)、御舩康太(ダンサー)が所属。声に出すことの出来ない感情を、生身の人間が”繊細さ”と”芸術性”を持って表現することを目標に上演。オリジナルの他に既存の作品を元にした作品創りも試みている。(過去作品:芥川龍之介『蜘蛛の糸』、森鴎外『舞姫』、トルストイ『光は闇の中に輝く』等)
info@tonaliya.com
「利賀演劇人コンクール2016」観客賞/受賞
私はpepperだった。
家電量販店でバイトをしていた頃、客から[どの店舗・どの階にいる店員も、全て同じ情報と記憶を共有している<画一の脳みそを持ったうちの一体>]として接されていた。「まるでpepperのようだ」と思うことで、人間扱いされない時間を誤魔化した。
最初はうまく誤魔化せていた。けれど、一度気がついた違和感は生活の中でどんどん大きくなっていった。
ただ生活をするだけの範囲で、<自分は消費されないと無自覚に思い込んでいる人たち>のための表現が溢れ、許されているかのように人の身体をじろじろと眺め、勝手に触れてくる。あるいは、人格を持った一人の人間ではなく<ある定型文>で喋りかけられる。人間扱いされていないのはバイトの時間だけではなかった。
私はpepperだったらよかった。
多くの人は自ら選択したわけでない身体を静かに受け入れている。そして、私たちはそれらの"選択不可能な"属性によって、様々な固定概念を押し付けられている。目の前にいる人の身体が物質に見えてしまうことがあるように、鈍い感覚が目の前の"人間"を属性の塊にする。
"それ"が生きているという強いリアリティは、その美しい肉体を裂き、内臓やどろどろの血液から溢れる生臭さに包まれた時、ようやく実感することができる。目の前の人間がpepperに見えている人たちは、その"pepper"から赤黒い血と脈打つ心臓が溢れ出てくるまで、"それ"が人間だと気がつかない。
"選択不可能なもの"は突然降りかかってくる。それは自分の肉体やこころだけでなく、他者の言葉や暴力、記憶、歴史、死も同様に。本作ではハムレットマシーンが描いた[選択不可能な流れに争った人々]を、ハムレット/罪と罰を交えて現代の枠や言葉に縛られている脳みそからの逸脱を元に再構築した。いまpepperになってしまっている人と、誰かをpepperにしてしまっている人へ、どろどろした"生者"の感触が残ることを目指して。
参考資料:
Heiner Müller『Die Hamletmaschine』
W.Shakespeare『Hamlet』
ドストエフスキー『罪と罰』
フロイト『不気味なもの』
|
|
身体の景色
4月7日(土)19:00 & 8日(日)14:00/19:00
演出:身体の景色 ドラマターグ:田中圭介 音楽:松田幹
出演:宇田奈々絵 大迫健司 大西玲子(青☆組) オカノイタル 小田さやか 紫藤祐弥 辻川ちかよ 牧野隆二(SPAC) 遊貴まひろ
声:福寿奈央(青☆組) 衣裳:杏子
07年旗揚げ。失われつつある身体性(足・丹田・呼吸)、空間感覚(簡素・静寂・余白)を捉え直す。14年「ソウルシェークスピアフェスティバル」招聘。
karada07@gmail.com
「密陽国際演劇祭(韓国)」演技賞/受賞
ミュラーは言う。『資本主義は加速の価値観です。社会主義は違います、減速の価値観です。減速化という原理から、いかに一つの質を創り出すか』と。現在資本主義が限界に来ている事は多くの方が思うところかと。金になるという価値にのみ特化した物差で全てを計り続ける事ができる筈もなく、零れ落ちたもの、無理解の海に捨てられてきたものの多さは尋常ではない。ミュラーが使用した『加速』との言葉通り経済第一主義は今尚そして更に加速を続けている。想像してみる、この加速の果ての、またその果てにあるものを。ただならぬ虚しさが見える。そこには不気味なバケモノが剥き出しとなったもはや人間とは言えぬヘドロがあるだけではないのか。社会主義を肯定しない。しかしミュラーの使用する『減速』という言葉にある種の共感を覚える。
◆ 身体の景色WSで使用する言葉に『簡素・静寂・余白』がある。もう少し書き加えると『そこにただ在る・(心身)静かに在る・その向こうには目には見えない(物質を越えた)ものが在る』となる。森羅万象と繋がる豊かさがそこには広がる。その世界へ人知れず、長い歳月をかけ、行く人達がいる(労力に見合った金銭は得られぬのに)。彼らは作品への熱情が極めて貪欲であるのに対し、日常生活において驚くほど無欲だ。生活する上で必要な最低限の物を彼らは所持するのみである。彼らの生み出す作品に、また彼らの在り方そのものに多くの勇気を貰い身体の景色を続けて来た。できることなら私も彼らのように在りたい、そう思いながら。そして『簡素・静寂・余白』を舞台に、俳優の肉体に、どうしたら宿す事ができるのかと様々なエチュード、方法論を試みてきた。
◆ 先に書いたようにミュラーの作品には「資本主義✕社会主義」の構図が端々に現れる。「ハムレットマシーン」然り。『簡素・静寂・余白』を宿した俳優の肉体をこの作品に重ねる時、何か、新たな地平が広がるのではないか。そしてそれは現代の『加速』とせめぎ合う何かを生み落としはしまいか…。「ハムレットマシーン」を上演するにあたり、作品解釈、主題を越え、先ず想うところである。
|
Ⓒ聡明堂
|
初期型
4月7日(土)19:00 & 8日(日)14:00/19:00
演出・構成:カワムラアツノリ 出演:今村つぐみ 岩佐妃真 ハル・シオン 平澤瑤 深堀絵梨 松崎淳 ブレーン:もっしゅ
01年結成。演劇(←コトバ、関係性、物語性)とダンス(←身体、音楽・リズム、コラージュ的)を割と並列的に考えているのかもしれません。対人間の存在は演劇だし、対宇宙はダンスだと思う。人になったりモノになったりすることが好きです。
shoshokigata@gmail.com
■活字として目から入れても何回か読まないと、飲み込めない。噛んでも噛んでも飲み込めないところもある。それを劇場でサラッと読んでしまってどこまで観客に届くのか。発声法を駆使し、丹田からズズズイッとコトバを放(ひ)り出すとか、そういうことで伝わるのか。そういうのって演者と観客の相性次第だと思う。視覚表現もそれと同じことがあるかもしれないけど、可視化でしか伝わらないこともある。
■父性を考えた事がない。意見がない。
■ミュラーと同じくらい政治や国家をアイデンティティの一部と捉えることが出来るだろうか。僕たちの政治感覚はどこにあるのだろうか。
■オフィーリアがかなり前面に出てくるので、男性原理と女性原理ということを考える。しかし2つを対立させることには少し違和感を感じる。対立させることで浮き彫りになることは沢山あるが、対立の先が見えない。チベットの男女合体仏。男性原理と女性原理の究極の合一が真理に至る。
■デストピアもの、サイバーパンクものが好き。未来世紀ブラジルとかブレードランナーとか家畜人ヤプーとか。去勢され性がなくなったヒト、性差が消えた未来世界。機械とヒトが共存する世界。などなど、様々な終末観。ハムレットマシーンもサイバーパンク。機械になりたい。女になりたい。乳を毒に変える。人類の終わりを予言するような文言の数々。絶望。絶望文学、絶望アートは人類史上何回現れているのだろうか。絶望について考えれば考えるほど、希望を欲している自分に気付く。寡黙に人生に耐える人々を尻目に、ハムレットマシーン(ハムレット)は、あーだこーだと駄々をこねている、駄々っ子のようにも思える。
|
Ⓒ玉内公一
|
ダンスの犬ALL IS FULL
4月10日(火)19:00 & 11日(水)19:00
作・演出:深谷正子 出演:佐藤ペチカ 斉藤直子 三浦宏予 入江淳子 武智博美 玉内集子 衣裳:田口敏子
01年より活動開始、深谷正子主宰。作品によりメンバーを集める形態を取る。
雨のようにコカコーラを浴びよ!耳たぶから落ちるコカコーラの一滴がすべてを狂わす。狂いはその先の希望でもある。
info@masako-fukaya.com
舞踊批評家協会賞/受賞
ダンスの犬ALL IS FULLの作品作りをする深谷にとって「ハムレットマシーン」を作品化する事は、「高い崖を飛べ!」と命令されるようなことである。これまで「今ここに在る」身体感覚のリアリティから作品を創る手法を貫いてきたダンスの犬としては、『何?」「なに?」と叫び、笑ってしまうほどの試行でもある。
今年3.11から7年経ち、これほどの体験をしたにもかかわらず、日本のシステムは何も変わらないという思いが日々強まっている。せめて一個人の身体感覚の変化を具現化せねばという、つたない思いと「ハムレットマシーン」の中に共振するものを感じて挑戦している。
雨のようにコカコーラを浴びよ!耳たぶから落ちるコカコーラの一滴がすべてを狂わす。狂いはその先の希望でもある。「歴史における男性原理の象徴=ハムレットを背中に携え、女性原理としてのオフィーリアの台詞「私の心臓であった胸の時計を埋葬しましょう」を如何に身体表現だけで完走できるか。今の時に表出したい!さらに言うなら満たしたい。身体の部位をデフォルメすることで、女の笑いが見えるように、ひたすら繰り返す。
深谷正子
|
|
楽園王
4月10日(火)19:00 & 11日(水)19:00
構成・演出:長堀博士
今年27年目になる劇団。しかし上演地は全国を駆け回る。主に古典戯曲や文学作品の上演が多いが、もともとは長堀博士の書いた迷路のような戯曲を上演するために旗揚げし、現在も他劇団への執筆も含め発表し続けている。H.ミュラー作品は、過去にH.ミュラーフェスに参加して上演した『画の描写』に続いて今回は二作品目。
home@rakuenoh.tokyo
「第5回利賀演出家コンクール」優秀演出家賞/受賞
当日にお客様にお配りする、ということなので、あたらめまして、本日はお越しいただきましてありがとうございます。フェス全体としても、もし楽園王の時にお越しの場合にはとても嬉しく思います。えっ、WEBでも公開? ぜひよろしくお願いします。僕は最初、実は結構前から、ハムレットマシーンのテキストは使用せず、シェイクスピアの方のハムレットを上演して、そのラストに全員が衣装を脱いで、バーンってハムレットマシーンのタイトルが出て、大勢が立脚する絵で終わるって演出作を考えていました、が、稽古に入ってすぐボツにしました。また、ベケットの『芝居』の上演にては、戯曲の特徴としてト書きが多い、ト書きまでちゃんと上演しないとベケットは怒る人だった、って話もあるので、ト書きだけを上演する、ってものを作って良い手応えだったので、よし、今回の出版された戯曲の特徴、注釈が多い、って点を受け取って、注釈だけを上演してやる、って思ったのですが、それは純粋に困難な道で断念しました。さて、今回上演されるのは、3番目のアイデアになります。注釈の困難さから、英語に翻訳された版を手に入れて自分で意味取りをしていく内に、だんだん固まってきた気持ちがあり、自分の言葉も使いつつ、なんていうか、普通に上演できないもんかと思って稽古に当たったものです。ハムレットというハムレットが死ぬ物語の主人公を、ハムレットを舞台から降ろすことで現代まで生き残らせた「アフターハムレット」の物語、そう読み解き、そんな妄想を手掛かりにしています。過去には、文章一つだけの戯曲『画の描写』もやっているので、比較したなら、これは普通の戯曲の形式だな、よし、と、そう思って上演したいと考えています。
(楽園王 長堀博士)
|
Ⓒbozzo
|
7度
4月17日(火)19:00 & 18日(水)19:00
演出:伊藤全記 出演:中山茉莉 山口真由 他
14年結成。既存の戯曲や小説を上演する。読み取った情景を独自のビジュアルへと換骨奪胎し、台詞の音と沈黙を重視した舞台を構成。観るものが能動的に読み解く劇体験の快感を促す。つまり、ほどよく難解で、ポップにお洒落で、観終わったあとにあーだこーだ言いながらおうちへ帰っていただく作品を作るってことです。東京・千葉を中心に活動中。
n_ana_do@yahoo.co.jp
観劇前の心の準備。
今回の作品は非常に難しい戯曲です、予めご了承ください。なにせ、20世紀を代表する前衛戯曲、作者自ら上演不可能と言った作品なんですから、わからなくて当たり前!この「わからない」というところから始めたいと思います。
わからないものを、「わかる」あるいは「わかった気になる」のは意外と簡単です。「これは戦争を描いています」、「これは愛の物語です」と言われれば、わからないものはたちまちわかったものになります。しかし私は思うのです。わざわざ難しく、一目ではわからない具合に描かれたものを簡単に説明することに意味はあるのか?と。例えばピカソの画もしかり、一目ではわからない形になっている理由が何かあるはずなんです。作者には「何か」が見えています。しかし、それを言葉で説明しようとすればするほど、その「何か」は遠ざかっていく。なので、わかるのではなく、自分の目で見て聞いて、向き合って、自分の中の『何か』が動くのを待つ。その『何か』が動き出すきっかけは、人間が体の奥底で共有しているモノだと私は考えています。うまく言えませんが、芸術にはそこを動かす力があるのだと思います。
もっとも今作は時代背景や国の歴史が色濃く反映された戯曲ですので、お楽しみいただくために多少の背景をお話しておきます。まず、「ハムレットマシーン」はベルリンの壁がまだ存在していた頃に東ドイツで書かれたものであること。社会主義によって統治され、秘密警察が活動していた東ドイツで、本作は出版も上演も禁止されていました。
もうひとつは本作が、W・シェイクスピアの「ハムレット」を改作したものであること。ハムレットは国の行方に翻弄される、悩める青年です。
以上を踏まえ、観ていただけたら幸いです。
それでは。目で聞き、耳で見るように、全身を使って観る時間を作れるよう、声を積み上げていきます。「何」が見えたか、是非聞かせてください。
|
|
劇団風蝕異人街(札幌)
4月17日(火)19:00 & 18日(水)19:00
演出:こしばきこう 出演:三木美智代 相良ゆみ 武藤容子 堀きよ美 高城麻衣子 こいけるり 岩澤繭 柴田詠子 リンノスケ
札幌を拠点に東京でも活動。寺山修司作品上演を目的に旗揚。アングラ魂を内包しつつ質の高い作品創りが定評。身体訓練メソッドに取組み、12、13年韓国の演劇フェスティバルに招聘され、身体詩劇を上演。
ijingai@hotmail.com
「第5回利賀演出家コンクール」優秀演出家賞/受賞
この劇を通して、ハイナー・ミュラーは自分の作品を自分というフィルターにかけて、新たな位相を立ち上げたのである。よって、私はミュラーの巨大なメタファー(暗喩)を使って、この劇における身体と言葉の鍵として「現代という時代」のカタストロフィー(破滅)を描くことにしたのである。具体的には、この劇の登場人物はすべて、「ハイナー・ミュラー」の光と影としてのコロスとして登場させた。ただ、道化としての二人のハムレットや七人のオフィーリアの身体でこの物語を現代史として描く時、言葉の力より身体の空間描写に力点を置いた。それ故、私はすべてのコロスにこの物語の現代的意味を身体で状況説明させることにした。そのために、外部の権力として、常に壁をつたっている亡霊を登場させた。
また、声は単なる重層化し、空間に拡散させる装置として使用した。しかし、マティリアル(素材)としての『ハムレットマシーン』には確たる「正解」がない。だが、私はこのテクストを、歴史の直喩としてひとつの磁場とすることにより、ベケット的終末感を描いたのである。究極的には、私は時間や空間に捕らわれないミュラーのイメージの断片をすべて同一の平面上に並べ、ミュラーとの対話の場として演劇を再生させ、それを現代に「蘇生の可能性」のひとつとして探ることを目的としたのである。そして、この劇にエピローグとして、付け加えたのが、ベケット的終末感なのである。つまり、それは同心円上の崩壊と再生の繰り返しのことである。ちなみに、この『ハムレットマシーン』はイメージが複雑で「難解」だと言われているが、よく「ハイナー・ミュラー」を読み解き、解析すると、容易に理解ができ、近代演劇の呪縛から解き放たれるのである。ベケットの方がより難解である。この『ハムレットマシーン』のように従来の演劇からの解放こそが新しい演劇の文化装置となるのである。
劇団 風蝕異人街演出家 こしば きこう
|
|
IDIOT SAVANT theater company
4月20日(金)19:00 & 21日(土)14:00/19:00
& 22日(日)14:00
演出:恒十絲 出演:朱尾尚生 近藤康弘 新井千賀子 三浦寛士 加川望 他
「第三エロチカ」出身の恒十絲が02年結成。13年に12時間芝居×5回公演を敢行。恒十絲の詩・テキストを基軸に独特な身体操作と映像を融合、高い独創性のある表現が評価される。劇場のほか廃映画館や寺院なども使用。「TPAM」や「ベップ・アートマンス」にも作品を出品。16年パリにて『東北―11年目の足音』を発表。
idiot.savant@nifty.com
あまりやる気のない僕のことを思ってか、彼らは淡々と私に作業を強いる。文献やら資
料やらが机の上に山積みされる。戯曲を簡単に壊す演出家の悪口を言いながら、最近老
眼になった眼を擦って、毎日、読みふける。
いつもの劇団の稽古を続けていくと俳優たちに伝えた。納得するまで始めない。これは
、私たちの流儀だ。
この戯曲は、距離と術中と後付けを問いかける。
|
|
劇団シアターゼロ(韓国) 【特別参加】
4月20日(金)19:00 & 21日(土)14:00/19:00
& 22日(日)14:00
出演:シム・チョルジョン ビョン・ヨンフ ソン・スジン グク・ジイン
映像・音楽:ソン・ジュグァン 照明:グァク・ドゥソン 他
98年創団。肉体の動きと光、原初的なサウンドを基本コンセプトとして実験的な作品を発表して来た進歩的な公演団体。俳優の家を活用した極小劇場公演から大型野外劇に至るまで多彩な公演を展開している。
shim9240@hanmail.net
潰れて歪んだコーラの缶の事情はさまざまであろうが、最終的にはその形態も用途も失われた単なるゴミに過ぎない。 「破壊」と「無」に向かっていく人間と文明の話も同じである。すでに長い時間そう進んで来たからか、今更驚くこともなく私たちはそれらをあまりにも軽々しく考えるようになっている。滑稽な歌と動きが真面目くさった表情、呼吸と衝突する。これは道理にかなった流れ、論理の体系に対する抵抗である。破壊の過程に対する科学的かつ合理的な考えを除去する代わりに、私たちは破壊を夢見る思いの瞬間に集中する。その瞬間が無限に増殖するまさにその地点を私たちは表現する。存在というものは相対的なものだ。私の存在は自己の認識ではなく、有形無形の相手によって証明される。変形したコーラの缶を証明するのはそれを発見した「私」によってあるように。 「機械」を超えて完璧な「無」を夢見る「ハムレット」は、長く伸びた先のとある破壊の地点におり、私たちはそれを観客と共に眺め、彼が不存在に向かっていく様を嘲笑し証明しなければならない
|
関連企画その1 「ハムレットマシーン」朗読&レクチャー
3月14日(水)19:00~
入場料無料
会場:d-倉庫
難解とされる戯曲『ハムレットマシーン』の特異性・解釈など、本戯曲に関連したレクチャー。観劇前の予習に是非。
朗読:疎開サロン 出演:黒木佳奈、小林裕、ほか
レクチャー:村瀬民子(東京外国語大学非常勤講師)
|
関連企画その2 OM-2『ハムレットマシーン』
3月22日(木)~24日(土) 会場:日暮里SUNNY HALL
パフォーマンスグループ「OM-2」による『ハムレットマシーン』公演。東京・ドイツ・ポーランド・韓国など国内外での上演を経て、東京に再び上陸する!※当フェスティバル通し券でご観劇もできます。
チケット取扱
▸
GETTII オンラインチケットサービス
予約後(要登録・無料)セブンイレブンですぐ発券
★ご予約のみの場合はこちら
CoRich!予約フォーム
|
Ⓒ 田中英世 |
主催.....die pratze
共催.....d-倉庫
舞台監督... 田中新一、久保田智也
音響...相川貴、許斐祐、日影可奈子、ATS企画
照明...針谷あゆみ、三枝淳、川村和央
協力...相良ゆみ、ふくおかかつひこ、有馬直美、黒川弥生、平澤晴花、高松章子、吉村二郎、
OM-2、「ダンスがみたい!」実行委員会
宣伝美術...林慶一
監修...真壁茂夫
制作...林慶一,金原知輝
|
|
|
|