プロジェクト・ムー インタビュー
★プロジェクト・ムー代表の宗方駿さんへのインタビューです。
Q:プロジェクト・ムーとはどんなユニットなんですか?
宗方駿:私は劇作家の岸田理生とずーっと演劇の作業をやってきたんですが、二つ程劇団を作っては潰して来て、最後は岸田理生カンパニーと言う名の、まあ言ってみれば劇団というより、もう少しゆるい関係の集団でお付き合いしていたんです。ところが、当時の理生さんは蜷川さんとの共同作業とか、シンガポールのオン・ケンセンとの共同作業とかで忙しく活動していて、岸田理生カンパニーとしてのお芝居は年に一本くらいしかできない状態だったんですね。じゃあ、その間に自分でも別の演劇活動を始めようと言う事で始めたのが、このプロジェクト・ムーなんです。
Q:「ママでも女優シリーズ」というのはどういう意味でしょうか?
宗方駿:理生さんは結局二年間の闘病の末、2003年に亡くなってしまったんですが、逆に私はこの歳にして結婚をし、二人の子供も生まれました。子育ては楽しいけど、とにかく時間が取られるので、今までのように自由に芝居の稽古ができない。そこでふっと考え付いたのがこのシリーズなんです。世の中にはとてもいい女優さんで、結婚をしても芝居を続けている人は多いですが、子供が生まれると、さすがに自由が利かなくて、お芝居から離れていってしまう人がたくさんいますよね。そういう人たちを見てて、これはもったいないなと、その女優さんにとっても、お客さんにとってもこんなもったいない話はないなと。もう若くないんだし、そんな毎日稽古しなくても時間をやりくりすればできるんじゃないか?もちろん連れ合いの理解は必要ですけどね。とにかく蜷川さんだの流山児さんだのが老人劇団をやるんなら、ママさんと言うハンデを抱えた人だって芝居をやっていいはずだと、まあそう考えたワケです。
Q:今後はどうな活動をされる予定ですか?
宗方駿:本当はオリジナルの台本を書いてやりたいのですが、なかなかうまく書けないのと、自分は役者で出たいと思っているので、演出を他の人にやってもらわなくてはならない。今回は理生さんの作品を再構成して、演出もみんなで考えてやりまして、だから構成・演出が「ムー」なんですけどね。とにかくママでも女優、ジジイでも役者、どんな状況になっても、死ぬまで役者をやるつもりで、その時々にあった方法で舞台を作れればと思っています。なにはともあれ、楽しい企画を考えたいですね。頼まれてやってるワケじゃないし、好きでやってる演劇活動ですから。
Q:本日はありがとうございました。今後の活動にも期待しております。