Q. 今回の公演「パノレコ」はNR6の2年ぶりの公演ということですが、タイトル意味をお聞かせくださいますか?
→はい、某百貨店さんのお名前と間違われたり、パリコレと読まれたり、様々な方向から興味を持っていただけているので、このタイトルをとても気に入っています。
「パノレコ」とは「PANORAMA RECORD(パノラマレコード)」を短くして「パノレコ」としました。これは、作品に対する第一印象を強め、タイトルから来る作品に対しての先入観を弱める効果があったと思います。
パノラマレコードを日本語に訳すと「俯瞰と記録」。現代社会の抱える状況や問題など、そこにある事実を俯瞰し、ダンスのムーブメントで記録する。これら一連の作業を作品化しました。少々込み入った内容のように聞こえるかもしれませんが、「百聞は一見にしかず」ということもありますので、作品をご覧いただければと思います。
Q. コンテンポラリーダンスというジャンルについてお聞きいたします。コンテンポラリ-ダンスといっても様々な表現や上演の様式があると思うのですが、幸内さんのNR6はどのようなポジションに位置づけられるとお考えですか?
→正直なところ、私自身コンテンポラリーダンスを創っているという意識はないのです。観にいらっしゃるお客さんが迷わないように、クラシックバレエや演劇ではないという意味でわかりやすくコンテンポラリーダンスというジャンル名をお借りしているともいえます。時代的な定義や系譜を考えると、厳密な意味でのコンテンポラリーダンスの意味はすごく狭いのでしょうが、実際はものすごく広い様式を包括して「コンテンポラリ-ダンス」という言葉が使われていると感じています。その危うさを重視する立場として、NR6の表現スタイルはコンテンポラリーダンスの隅っこ、または外側かもしれないと思います。
Q. では、具体的にどのような「ダンス」なのでしょうか?
→今回の「パノレコ」では、運動、歌、せりふ、音楽、何もしない、というような身体表現の要素を使っています。これら全てをダンス的な視点から演出しているという意味でもダンス作品と呼べると思います。ただわたしにとってはカレンダーの数字やコーヒーの匂いもダンスだったりするので、、、ダンスの意味が広すぎるかもしれませんが。
Q. 公演まであと一ヶ月となりましたが、みどころなどありましたら教えてください。
→作品は休憩なしの60分です。14人の個性豊かなダンサーが出演いたします。稽古の際はいつでも時間軸と存在の強度を考えながら練り上げています。テーマを追求することは当然の作業ですが、そのテーマをあからさまに出すのではなく、最後にじんわりやってくるような、そんな構造を丁寧に仕上げています。いくつものレイヤーを編むような展開がみどころですね。
ありがとうございました。本番まで頑張ってください。
幸内未帆オフィシャルサイト http://www.mihokonai.com
「パノレコ」公演情報サイト http://www4.ocn.ne.jp/~nr6/index.htm