★「劇団熱血天使」座長・脚本の水谷暖人さんと演出の菅沼萌恵さんに伺いました。
水谷 劇団のコンセプトは “時代を越える時代劇” 毎回いくつかの時代を行き来しながら、志に生きた偉人と呼ばれる方々の熱い生き様を描いています。時代はもちろんなのですが、国も、時空も、飛び越えます。
過去の公演では幕末の吉田松陰先生をはじめ、ヨーロッパのオリバー・クロムウェルなど、洋の東西を問わず様々な方々を取り上げさせていただきました。志のために命を燃やした偉人たちの姿を、私たち若い世代だからこそできる独自の切り口で描いていきたいと思っています。
菅沼 歴史物だからといって肩肘張らずに、自分たちと同じ等身大の人間の生き様を、舞台を通して共に生きて、体感していただけたら嬉しいです。私たち自身も毎回勉強の連続なんです。私も最初は歴史はよく分からなかったですから。偉人といっても生きていた当初は私たちと同じく悩み、挫折も経験しながら生きていた。そんな彼らが志を持って立ち上がり偉人となっていく様を、お客様と一緒に時代を、国を越えて、思いを共有していきたいですね。
| Q、キーワードとなるのが、「志」ということですね？ |
水谷 偉人とは、常識に流されず、自分の信じる価値観を生涯に渡って提示し続けた人のことを言うと思うんです。今の世の中で偉人と言われている人々は生まれながらに偉人なのではなくて “志が彼らを偉人にした” と言えるのではないかと思うんですよね。
志は “人生の目的” であり、正しさに裏づけされた情熱の基。偉人を創った志というのは、口を動かすだけの空想ではなくて、行動を呼び覚ます信念だった、と感じています。
| Q、コンセプトが“時代を越える時代劇”ということですが、普通の時代劇とは違ったアプローチをされているのですか？ |
菅沼 はい。時代劇というと立ち回りがあるイメージが強いと思うのですが、熱血天使では立ち回りはいっさいありません！！
水谷 かなり力強く言いましたね（笑）
菅沼 ここはポイントですからね！熱血天使は「時を越える」瞬間を、踊り手と役者たちによるムーブメントで表します。ムーブメントに音楽と照明とが相まって、時に幻想的に、時に情熱的に、通常の時代劇では見られない、熱血天使ならではの時空間が広がります。
菅沼 大切にしているのは “ノンバーバル(非言語)” です。熱血天使の稽古ではよくやっているワークなのですが、言葉を用いず、音楽の中で心と体を開放し、お互いを、空間を “感じる力” を研ぎ澄ませていきます。人間って、言葉をこえて目で語り、身体で唄うじゃないですか。その瞬間生まれるエネルギーこそ、言葉を真実にすると思うんです。そのエネルギーがなければ言葉はいくら抑揚をつけても、いい声で発しても、真実ではないというか。うちの芝居は結構しゃべるのですが、言葉以上に大切なものがあって、むしろ伝えたいものはその言葉以外の部分で感覚的に伝わるものなのではないか、と思っています。
言葉は光だから、もちろん偉大なのですが、言葉を言葉にするのは言葉じゃないんだ、と。作品の鍵となるムーブメントもノンバーバルと繋がっているものがありますし。ノンバーバルの中から生まれ、感じた様々な思いや皮膚感覚を大切に、作品を創っていきたいですね。
水谷 “志” “熱血天使” と聞くと男気溢れる感じを想像されるかと思うのですが、実はぜんぜん違います。
菅沼 座長以外みんな女の子ですからね（笑） でもいいバランスなんですよ。キャラもまったく被っていないし、お互いに意見も言い合える。専門分野がそれぞれ違うのもいいところですね。詳しい雰囲気やキャラクターなどは、公式ホームページからアクセスできるウェブラジオ「熱血天使のHOT THEATER」を聴いていただければ、かなり伝わると思います。思いっきり素です！！
水谷 素ですね。はちゃめちゃです。毎月７日配信の番組なのですが、偉人を主役にしたラジオドラマやメンバーの素顔を暴くゲームなど、趣向を凝らした企画にも毎月挑戦しています。
菅沼 一味もふた味もあくが強い熱血天使メンバーを、ぜひぜひ公式ホームページよりご覧ください！
