★「演激集団INDIGO PLANTS」主宰の藤田信宏さんに伺いました。
今回2度目のインタビューです!
前回インタビュー記事はこちらです。
Q、『蒼空~空どこまでも蒼く~』とはどのような作品ですか?
|
藤田 太平洋戦争末期1945年の鹿屋基地が舞台です。片道分のガソリンと爆弾を抱え、敵艦隊に体当たり攻撃を行った神風特攻隊を題材にしたお話です。
主人公の倉橋学は、片目が弱視のため、特攻隊員になる事が出来ず、偵察・戦果確認の任務を受け、鹿屋基地に着任してきます。倉橋は根っから空が好きで、空を飛びたいが為にパイロットになった純粋な若者です。確実に命令をこなしていく倉橋ですが、親友・上官・部下と関わっていくうちに、特攻とは何なのか疑問を抱いていきます。しかし、そんな倉橋をよそに、戦況は日に日に悪くなっていき・・・。
歴史的な事実を基に、人と人との繋がり、思い遣り、優しさを描いた、「演激集団INDIGO PLANTS」の根幹を成す作品です。
Q、主人公の倉橋学は片目が弱視で特攻隊員になれなかった人物ですが、特攻隊員が主人公ではない作品は珍しいですよね? |
藤田 そうですね。この作品が主眼に置いているのは、特攻隊員を見送る側、戦果確認の任務を負った主人公や、女性、家族です。残されるものの心情を中心に描いているというのが、この作品の特徴です。
Q、今回の作品の出演者はどのような方々なんですか? |
藤田 劇団員はもちろんですが、僕自身がいろいろな現場で関わってきた俳優の中で、人として魅力を感じた人、人間力を持っている人、そして、純粋な心で言葉を発することができる人。そういう方々に集まって頂きました。
Q、なぜ特攻隊の作品を取り上げようと思ったのですか?
|
藤田 23歳のときに、特攻隊を扱った舞台を見て衝撃が走りました。その瞬間に、特攻隊の作品は、いつか必ず自分がやるのだと直感的に思いました。それからというもの、どうやったら特攻隊を題材にした作品が作れるのかをずっと考えてきました。なので、今、取り上げようといった感覚ではなく、やるべくしてやっている。そういった感覚です。
Q、藤田さんの役者人生そのものと捉えてよろしいですね?
|
藤田 はい、その通りです。この作品の理解を深め、多くの方たちに観て戴くこと、これが私の役者人生の柱になっています。
Q、では、藤田さんの、そして「演激集団INDIGO PLANTS」の今後目指すところは?
|
藤田 『蒼空』を、広島・長崎・鹿児島・沖縄をはじめ、全国各地で公演すること、そして劇団のテーマである「忘れてはいけないこと」を軸にした新作を創っていくことです。更に、3月の東日本大震災で被災を受けた地域で、被災者の方々を応援する公演をしていきたいと思っています。
藤田 はい。今回の震災で、実家を含め、気仙沼の街そのものが壊滅的な被害を受けました。これを受けて、もともと予定していた8月14日の気仙沼公演も当然行うことができなくなりました。この数カ月、一俳優として、「演激集団INDIGO PLANTS」の主宰として、何ができるのかをずっと考えてきました。その結果、本公演としてではなく被災者の方々に無料で観て戴けるボランティア公演を行うことにしました。辛い毎日の中で、少しの間でも楽しい時間を過ごしていただきたい、その願いを込め、ボランティア公演に踏み切りました。今後、気仙沼市だけではなく、他の被災地でも行っていきたいと考えております。なので、「蒼空」全国公演、「忘れてはいけないこと」をテーマにした作品創り、ボランティア公演、この3つを柱に活動していくつもりです。
藤田 「観てよかった。」そう思ってもらえる作品になるよう出演者、スタッフ一同誠心誠意を込めて精進致します。是非劇場に足をお運びください。皆様にお会いできることを心から楽しみにしております。
「演激集団INDIGO PLANTS」主宰の藤田信宏さん、インタビューありがとうございました!