「創作集団 IDEALKINGDOM」主宰の川渕かおりさんにお話を伺いました！


「創作集団 IDEALKINGDOM」について教えてください。

2006年頃の話でしょうか。初めは女優・剣舞師・モーションアクターとして活動していた私、川渕かおりと、写真家・映像作家として活動していたイマイトシヒロとのユニットでした。イマイとは出会った頃から感性が似ていたのか、共通した『美しいもの』が好きだったんです。美しい人に限らず、綺麗な花だったり、荘厳な建物だったり、意思のこもった言葉だったり。それで気付けば二人して『美しいもの』を探求していろいろと作品創りをするようになっていったんです。それは写真で表現してみたり、映像で表現してみたり、詩で表現してみたりと。当時は現在のように大々的に活動していたわけではなかったので、「IDEALKINGDOM」の名前はまだありませんでした。でも時が経つにつれ二人してもっと大きな規模で作品を創ってみたい、もっと大勢の人に知ってもらいたいと思うようになっていって「じゃあ看板を立てようか」となったわけです。そうして2008年に「IDEALKINGDOM」を正式に発足させたわけですが、といっても二人とも感性先行の気まぐれ人間で運営がなかなかうまく回らなくて（笑） それでしっかり者が必要という事で、当時ウチに出入りしていたアクション俳優・殺陣パフォーマーの相田健太を加えての活動が始まりました。“残酷なまでの美しさ”という創作テーマを改めて掲げて・・・。

劇団ではないんですよね？

そうなんです。私たちは三人を除いて、劇団員のように決まったメンバーを囲うだとか、定期的に芝居だけをするというこだわりはもって無いんです。ですから「劇団」のスタイルは取らずに、あくまで「集団」として、自分たちが美しいと思ったモノをその時の空気や温度に合せた媒体で表現する事を心情としています。プロジェクト集団的な意味合いが強いかもしれませんね。ウチは不定期公演ですし、表現方法も舞台だったり、写真だったり、ショーだったり、パフォーマンスだったり、朗読だったりで、ジャンルも様々なんです。当然作品ごとに参加してほしい表現者もその時々で違ってくるので、このようなスタンスをとらせてもらっています。





作品創りで追求されている事はありますか？

“唯一無二”の作品を創るということでしょうか。それはどこの劇団・集団さんも同じだと思いますが、私達はそのなかでも視覚から入ってくる美しさ、ストーリー性の美しさにウェイトを置いた「世界観」を第一に追求しています。視覚的なところからで言うと、見た目の派手さにはこだわりを持っています。中でもウリは殺陣やアクションですね。先にも言いましたが、私がもともと剣舞師・モーションアクターをしていましたし、相田もそれを得意としていましたから。その二つに関しては絶対の自信を持っています。だからなのか自然と肉体派の表現者が集まるのもウチの特徴かもしれません（笑）あと、ストーリー性の美しさで言うと、そんな見た目や動きの派手さとは対極的に、繊細で壮麗な世界構築が挙げられます。イマイの創る物語は大半がココとは違う世界の物語、いわゆるファンタジー作品です。ファンタジー特有の非現実的な設定が醸し出す美的感覚を見てもらいたいですね。あと付け加えるならそんな非現実世界の中にも、不思議と実社会にも通ずるリアリティが確立されているんです。虚構の世界とはいえ、例えば演劇という媒体を借りてその場に現実化する以上、そこにはリアリティがないと成立しない。だからウチは世界観をより高いところまで昇華するために、服装や髪型だったり、所作や立ち居振る舞いにいたるまでのリアリティには細心の注意を払って創り込んでいます。視覚的な美しさとストーリー性の美しさが他にない温度で融合している、ウチの作品が「独特の世界観」と称される由縁はそんなところから来ているのだと思います。

最後に、今後もしくはその他の活動に付いてもお聞かせください。

「IDEALKINGDOM」ではパフォーマンスチームとして「偉伝或〜イデアル〜」名義でも活動をしています。こちらは主に殺陣とダンスを融合させた「殺陣ダンス」で、イベントや公演会、ショーなどに積極的に参加しています。Youtubeでぜひ「IDEALKINGDOM」もしくは「偉伝或」で検索なさってみてください。私たちの活動の一端をご覧になっていただけると思います。
今後とも私たち「IDEALKINGDOM」にご期待ください！