「self23 / shyz2」作・演出の岡 靖洋さんにお話を伺いました。


image-01.jpg
▲ 今回公演のイメージ動画より。
http://www.youtube.com/watch?v=UJSTtnKNmfU



ひさしぶりになりますね。
そうなんですよ。地球の歳差運動で、25000年ぶりに北極星が元の位置に戻ってきて、これはちょうど、水瓶座の位置になるので、本当にひさしぶりに地球の位置が水瓶座に納まるんですよね。

いや、そうではなく、セルフの公演が久しぶりですね、と。
ああ、それですか。それも確かにそうなんですけど、ただもっともすごいのは、地球と太陽系が絡んだ歳差運動は、そのくらいの、せいぜい25000年とかの周期なんですけど、これが銀河の中心などとの歳差運動となると、大体、ひとつのサイクルが2億5千万年と言われているんですね。これだと、もっとひさしぶりということになるわけなんですよ。2億5千万年はちょっと長いですからね。

すると・・・その今の話が今回の公演と関係があるということですね。
いや、関係ないです。

えーと、じゃあ・・・。
まあ、最近はね、いろんなことを考えることが多くて、もういろんな要素がゴッチャになって自分の中にあるんですよ。カオスな感じなんですよね。それを昇華したいとは思いますね。

image-02.jpg

▲ 参考資料/ 地球の歳差運動。



その「いろんな要素」とはどんな要素なんですか?
まあ、いろいろなんですが、たとえば、聖書なんて読んだことあります?


聖書ですか? ないです。
そこに「ヨハネによる福音書」っていうのがあって、その出だしが「はじめに言葉があった」なんですよ。


ええ。
これが抽象的な表現だと思われる人もいるかと思うんですが、最近、世界中でいろんな研究発表がされていて、その中には「言語と認識」の問題などのことや、あるいは「言語と DNA 配列」の問題なんかもあるんですけどね、まあ、この「はじめに言葉があった」だけではないんですけど、人間というものの存在ということに関しての思想性に、今、非常にこう人類の思想の一大転換が起きようとしているわけですよ。


人類の「思想の大転換」ですか?。
寒天じゃないですよ。転換ですよ。


それはわかってます。
あ、そういえば、ゼラチンって動物からとるの知ってた?

知らないですけど、話を戻しましょう。その人類の思想の転換と今回の公演に関係があると。

たとえばさ、オレなんてもう四十代なんですけど、オレらの時代の教育受けてきた人たちってのは、地球発祥の無機物由来の生命とか教えられてきたわけでしょ。でもさ、最近、それらの科学はもう基本的に崩れてるのよ。つまり、神だとか科学だとか、そういう問題も越えて、全部ひっくり返る可能性もあるわけなんですよ。「人類創造」なんてのは宗教くさい概念なんだけど、じゃあ、どうしてそもそもそういう思想が「人類の中から」出た発想だったのかと。


うーん、難しいですね。


(※)参考資料/アメリカの NASA は 2011年8月8日に、「生命の DNA が宇宙で作られている証拠を発見」と発表




今回の公演を行う理由


image-03.jpg

▲ 前回の self23 / shyz2 公演(1999年)の時の岡氏。


久しぶりの公演をおこなうことになった具体的な動機や理由は何かあるんですか?
今回の公演をやろうとした直接のキッカケは、中国の古代神話の記事を読んだことによるものなんですよ。そこに「女?」ってうのが出てくる。中国語では「ヌーワ」って読むんですけど、中国の古代神話では、その女性の神様が人類の創造神ということになっているんです。



image-04.jpg

▲ 参考記事「中国の天地創造神話 - 女?(ヌーワ)」。


中国の古代神話は、西洋の創造神話と似たものなんですか?
基本的にはほとんど同じですね。つーか、インドも日本もアフリカも南米なんかも同じような感じです。この「同じ」というのもいろいろアレですよ。そういえば、ローマ法王いるでしょ。オビ・ワン・ケノビだっけ。

ベネディクト16世ですね。
1年くらい前だったか、彼がさ、「どうして何も存在しないより、存在するほうを神は選んだのか」という微妙な発言しているのよ。法王はさ、「世界は何も存在しないという選択」が存在するということを本当は言いたいという感じはしますよね。

「世界は何も存在しないという選択」とはどういう意味なんですか?
「言葉から世界は始まった」ということが聖書に書いてあるわけで、法王なんてのはそれが書かれてある聖書を広める第一人者でしょう。だけれど、忠実に具体的にそれを言うことは難しいし、理解もされにくい。つまり、「みんな本当は存在なんてしてないんですよ」なんてことを、キリスト教のボスが言うわけにはいかない。・・・というあたりから、あの「世界は何も存在しないという選択」というややこしい表現が出てきていると思うんだけれど、まあ、このあたり難しく考えちゃうと難しいんですけどね。そういう「存在」の世界というものを通じて表現したいんですよ。

今回の出演者は女優さんだけのようですね。
そうです。女性にしか表現できないフィールドは完全に女性だけでしか表現できないです。



image-05.jpg

▲ 今回公演の出演者。




今回の公演はストーリー性はあるんですか?
あります。ストーリーそのものがありますけど、まあ、どんなストーリーかというのは言葉で説明するのは難しいですけれど。

この公演チラシの裏にある「ヤンテン」という人はどのような方なんですか?
それを言っちゃいけない!


え?

それを聞いちゃダメだ・・・。あなたは悪魔の存在を信じていますか?


image-06.jpg

▲ ▲ そのチラシ裏にクレジットされている人物。


悪魔? 何の話ですか?
カンカン花のことは聞いていますか?


カンカン花・・・? それは何ですか??
ルーマニアから帰ってきたんですよ・・・。


誰がですか?
・・・・・それは今はちょっと。

いずれにしても、久しぶりの公演、楽しみにしています。





セルフ23 の概略
・ 1987年 Self23 結成。「天ぷら家族」上演。翌年まで3本の公演。
・ 1988年 公演「聖者の異常な愛情」を当時の田端ディー・プラッツ(現在のd-倉庫の前身)で慣行。
・ 1990年 東京国際演劇祭「ロシヤの蛮人」。各紙メディアで問題視され始める。
・ 同年、女性だけのユニット「shyz2」を結成し、 self23 ではなしえなかった繊細な舞台を1993年まで続ける。
・ 今回公演の女優、岡崎イクコは 1992年の公演に出演している(当時、指輪ホテルの女優として活躍)。
・ 1991年、廃墟の解体シリーズが1993年まで続く。
・ 1992年頃の「ゲイム」後、代表の岡は病に伏し渡欧。以後、中央アジアとルーマニアを往復する生活が始まる。
・ 1999年、日本に帰国永住。同年、今回出演の特殊モデルの角田真奈美と「Pack-3」という公演で共演。



岡さん、インタビューありがとうございました!


■ self23 / shyz2
『赤色反応』
 会場/d-倉庫


【タイムテーブル】
2011年10
3日(月)
4日(火)
19:30




【チケット料金】
前売¥2,300 当日¥2,500 (日時指定・全席自由)

【チケット取り扱い・お問い合わせ】

事前チケット予約
 TEL:080-5008-3855

「self23 / shyz2」Website

1