FLIPLIP作・演出の福地慎太郎さんにお話しを聞きました
FLIPLIPについて教えてください
同時代性、演出を武器に舞台作品を創っている団体です。 この時代に生まれ育って、インターネットやテレビで同じ物を見て同じ事を感じてきた だからこそ僕達の中にある、この時代の僕達だけのリアル。 こんな時代だからそのリアルは軽薄だけど、軽薄だからこそ共感できる。 その感覚を舞台空間で体感、共有してもらう作品を創っています。 作品を創作する時意識している事はありますか? 演出を軸に考えるって事ですかね、表現したいのが今の僕達だからわかる感覚的なものなので、やっぱり『人』なんですよね。 綺麗なストーリーを創るのではなくて、その瞬間生まれる、感情や生理、感覚。 そういうものを感じさせたい。 ですから独自の演出方でその辺はこだわって役者に伝えていきますし、 これは個人的になんですが、やっぱり盛り上がった方が楽しみやすいと思うので 感情や生理が高まりやすいシュチュエーションや流れ、演じる役者の心情、それを生かす演出などを意識しながら脚本を書きます。 小説を書く感覚ではなく、言葉では説明出来ない部分をそのままに、意味を伝えるのでなく感じてもらえる、演劇を書くという感覚です。 その演出法とは? え~と、演技って基本的に表現であって、表現する事が巧いに越した事はないし 巧くあるべきだとは思います、ですがそれ以前に、感じる事、感じる事で生理が動く事 を重要視していて、要は嘘の幅を減らす演出ですね 役者とキャラクターの生理の差を埋めるんです、精神的なアプローチだけでなく体を動かしたり、負荷をかけたりして、その瞬間のキャラクターに近い生状態を創りあげます。 その生理状態から放たれる言葉は、役者の人間味と、キャラクターの心理が同居した熱量のあるものになります。 生理状態を整えていく事がキャラの心情を表現する事、すなわち僕にとってはストーリーなんです。
これからの展望などあればお聞かせください 僕達はすでにアーティストである訳で、それには取り組む姿勢が一番大事だと思っています。今までも常に模索、研究してきましたし、これからもしていきます。 作品の軸が感覚的なものなので、ジャンルに捕らわれず、その時々一番いいという感じるものにチャレンジし続けてきました。 これからも変化を続けると思いますが、その中で変らずに残るものを大事にしていきたいですね。 ハイペースで公演を重ねているので、駆け足で成長し、実績を残していきたいです。