「鴎座」の佐藤信さんにお話を伺いました!
個人劇団「鴎座」。個人劇団というのは?
文字通り、個人の劇団という意味です。主宰者のぼくがやりたいことをやるための劇団。
プロデューサー・システムとは違う?
そうですね。個人だけれども、劇団という集団性は大事にしたい。だから、幽霊や架空の人物を含めて、幻の劇団員はいつも相当数います。まあ、ぼくが勝手に決めているだけですけど。
「鴎座」のポリシーは?
ふたつあります。ひとつは「世界は劇場よりもちょっと広い」。もうひとつは「演劇をつくり、演劇を壊せ」。
つくり、壊せ?
演劇にかかわって半世紀になります。大勢の人に許され、支えられて、これまで演劇だけで生きてきました。それなのに、という忸怩たる思いがいつもあります。演劇ってこんなものだったのか……という問いを、いつも自分に突きつけておかないと。
「鴎座」のこれまでの活動は?
旗揚げは1990年ですから、結構、古いんです。チェーホフの『叔父のワーニャ』を俳優座劇場でやりました。活動は第Ⅰ期と第Ⅱ期にわかれていて、現在の第Ⅱ期の活動は2004年からです。第Ⅱ期の上演活動としてハイナ・ミュラー『ハムレット・マシーン』をアレンジした『ハムレット/マシーン』(2006)と、ゲオルグ・ビュヒナー『ダントンの死』をアレンジした『ダントンの死について』(2008)の二作を上演しています。
第Ⅰ期と第Ⅱ期の違いは?
第Ⅰ期は、自分は企画だけで、誰か製作者が手をあげてくれるのを待つという、まことに厚かましいヤドカリ方式でした。十年間で五作品が実現し、ハイナ・ミュラー『ハムレット・マシーン』(1997)はヨーロッパツアーにも出かけました。
第Ⅱ期の活動は、自分ひとりでまかなえる規模の持続的な活動、ということで、2004年の暮れに、手作りのウェブサイト(
http://kamomeza.net/
)を立ち上げたのがはじまりです。手書きの回覧雑誌のような素朴なサイトですけど、ほぼ毎日更新の「五行日誌」を柱に、現在もつづけています。
第Ⅱ期の活動については、これまた別の意味で厚かましく、「トーキョー演劇にたいする小劇場運動」を標榜しています。
トーキョー演劇?
ネーミングなんてどうでもいいんですけどね。東京という都市で行われているすべての「演劇」という名の現象への異議申し立てでしょうか。
どんな異議を?
「同じ穴の貉」になりたくない、と。
言い切りますか?
言い切ります。運動ですからね。
黒テントは?
劇団の世代交代ということで、運営の中心メンバーからはずれましたが、演出部として現在も在籍しています。
黒テントとか座・高円寺(杉並区立杉並芸術会館)とかは、「トーキョー演劇」ではないんですか?
もちろん、トーキョー演劇です。
「鴎座」の活動と矛盾しませんか?
しません。トーキョー演劇の外からではなく、どっぷり首までつかった内側にいての運動です。刃の切っ先は、いつだって、まずまともに自分に向けてグサグサと……。
大変ですね。
乱を好むんです。楽しんでます。一緒に楽しんでくれる人が増えるといいけど。
最後に、第Ⅱ期上演活動3『The Spirits Play 霊戯』について……
香港の演出家ダニー・ユンと組んで取り組んでいる、能と昆劇交流プログラムの一環として、来年没後十年を迎える、シンガポールの劇作家郭宝崑『霊戯』をアレンジして取り上げます。南京から来日する昆劇の若手俳優や銕仙会の能楽師らとともに、魅力的なd-倉庫の空間にしっかりと向き合います。応援、よろしくお願いします。
佐藤さん、インタビューありがとうございました!
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鴎座
『The Spirits Play 霊戯』
会場/d-倉庫
【タイムテーブル】
2011年11
月
17日(木)
18日(金)
19日(土)
20日(日)
14:00
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19:00
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【チケット料金】
前売¥4,000 当日¥4,500 (日時指定・全席自由)
※学生料金あり。詳しくはWebにて。
【チケット取り扱い・お問い合わせ】
鴎座 TEL:080-6775-2058
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「鴎座」Website