そうですね。ただ、オペラ「ドン・カルロ」も原作とはかなり違いますし、宝塚はめちゃくちゃなくらい変えてしまっていて、原作に忠実に上演されているケースはほとんどないようです。今回、シラーの書いた本当の「ドン・カルロス」の面白さを知ってほしいと思います。現代劇としてテンポアップした描き方をしていますが、ストーリーの面白さと、登場人物の魅力、美しい精神性と芸術性は存分に包含しています。 どのような内容ですか? ハムレットのような王と王子の対立や、恋愛物語、友情物語、不信と孤独、自由と信仰など様々なテーマが盛りだくさんのスケールの大きな内容です。悲劇ながら喜劇性もあり、ドロドロした感じはせず、とても美しい物語です。 どうしてこの作品を選んだのですか? シラーは昔から興味があったのですが、芸術論・哲学論の本を読んだらぼく自身ととても共通点があり驚きました。昔、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの「ドン・カルロス」を観たことがあるのですが、一瞬でスタンディング・オーベーションになった、あの凄さを自分でも再現したいと思いました。本当に、とてつもなく素晴らしい作品です。 世界の演出メソッドは健在ですか? 今回は、キャストの半数がオーディションで参加した外部の方々ですが、世界のメソッドを使って、アーティスティックでクリエイティブな作品を創り上げます。日本では、プロであってもなかなかこのような創り方をしているところはありません。まだまだ未熟な役者もおりますが、メソッドで引き上げたいと思います。 他、見所はありますか? スタッフもとても優秀で、舞台美術の戸井田さんなんて、アートコンペで受賞もしている実力派のアーティストです。上演時間2時間20分、全てが見所ですが、音響や照明、美術にもご注目ください。
別役慎司さん、インタビューありがとうございました!
■■■ SKY SOART ψ WINGS 『ドン・カルロス』 会場/d-倉庫