FBI(Favorite Banana Indians)の名称の由来を教えて下さい。
A:いろんな説があります(笑)バナナのように「心の栄養価」の高い舞台を提供したいという思いと、インディアン(原住民)のように、外からの侵略者に屈せず、独自の文化を大切にする、時代に流されない独自の表現を目指す、という決意を込めて名付けた、という説が有力ですが。
どんな形態で公演を行っているのですか?
A:基本的にはプロデュース公演です。作品ごとに出演者、スタッフを募って芝居を打ちます。固定メンバーはいませんが、2回連続して出演してくれた役者さんも過去にはいます。基本的に皆さん「はじめまして」から始まって、稽古を重ねるごとにだんだん打ち解けていって、最後はいつも仲良くなっています。
出身母体もバックボーンも違う役者さん達の共同作業は大変ではありませんか?
A:確かに、劇団と違って共通言語がなく、それを探すところから始まるので、大変と言えば大変です。でも、それがまた楽しかったりするんですよね。劇団には独自のカラーがあって、ともすると劇団員はその色にしか染まれなかったりするのですが、FBIは毎回色が違っていい場所です。役者さんには、いつもは使っていない引き出しを開けてもらったり、今まで気付かなかった自分の色を出してもらったりしています。そのことで、FBI独自の色が作られていくんですよね。
具体的には、どんな「色」の作品を上演しているんでしょうか。
A:まさに公演によって様々です。「神出鬼没・変幻自在」と言っているくらいですから(笑)基本的にストレートプレーですが、シリアスからサスペンス、コメディ、不条理、ファンタジーと、その時の作風によってジャンルも変化します。空間も劇場にとどまらず、画廊で展示してある絵を使って芝居をしたり、ライブハウスでバンドさんとガチでコラボしたこともありますよ。毎回何が出てくるのか、自分でも楽しみです(笑)
では、FBIの芝居のポイントは何ですか?
A:「お客様の心に波紋を投げかける芝居」ですね。見に来たお客様が、芝居が終わった後に喫茶店なり飲み屋なりに入って、一緒に見た人とその芝居の話ができる、そんな舞台を目指しています。客電がついてから、お客様の中でその芝居の続きが始まるような、そんな舞台になればいいなといつも思っています。
確かに、ラストが印象的な作品が多いですね。
A:「答え」を提示するのはやめようと思っているわけです。お客様の中に「?」をいくつも残したい。だから、ラストシーンにはいつも工夫を凝らしています。
今後の目標のようなものがありましたらおきかせ下さい。
月並みですが、より多くの人と出会いながら、常に芝居を作っていられたらいいですね。小屋の大きさとかそういうのは、後からついてくるものだと思っていますから。僕もだいぶいい歳になりましたので、今後は、若い頃には作れなかったような作品が生み出せるんじゃないかとワクワクしています。いくつになっても、「神出鬼没・変幻自在」の初心を忘れずにいたいものですね。