おぼんろ主宰 末原拓馬さんにお話しを伺いました。
おぼんろについて教えてください。
2006年10月、早稲田大学第一文学部在籍中に僕が結成した劇団です。学生劇団からのスタートだったんです。でも、学業を優先してメンバーが次々に脱退し、劇団員が僕だけになっちゃって。
前の公演で背負った借金もあったから、路上で芝居をうち続けたんです。その時に呼びかけて、現在の実力あるメンバーが集結、新生おぼんろとして活動するようになった訳です。
劇団のコンセプトは何ですか?
“何にかじりついてでも絶対にハッピーになってやる!”ですね。
社会のジレンマ、そこに生ずる不満や葛藤の中、それでも僕らは必死にハッピーを求めてます。
おぼんろが紡ぐ物語は非現実的な世界観で描かれていますが、それを通してこそ、人間や生命の本質
を描き出せるはずだと思う。「是が非でも笑ってやる」って強い意志で語るんです。おぼんろが紡ぐ物語は、大人のための普遍的な童話なんです。
おぼんろのスタイルとその魅力は?
“巻き込み型”って言うとよくある言い方になっちゃうけど、やっぱり魅力はそこですかね。体験型3D演劇なんて銘打ってます。
ウチは、客席と舞台が分かれていないんです。観に来てくれる方は、観客じゃなくて“参加者”。参加者が自ら想像力を働かせて、僕ら語り部が紡ぐ物語に入った時、初めて作品が完成する。
実は、自分が芝居を始めた頃に観た芝居が、全然しっくりこないイメージがあって。たいていの観るものが自分にはキビシイんですよ、やだなって思っちゃう。じゃあどうしよう、って考えた時に“体験すること”が一番面白いと思ったんです。
よく“修学旅行の夜型”っていう話を前にしてたんですけど、みんなで布団かぶって、懐中電灯1本 付けて「じゃあ俺の番ね、俺のばあちゃんが体験した話なんだけど…」って怪談を始める。「ほんとだよ、ほんとだよ」って始めるうちに窓に何かいそうな気が したりとか、そうやって喋ってるうちに妖怪が…語り部なんですけど、すうって出て来て語り始める…。修学旅行ってたった一晩なのに、一生話すじゃないです か、あの時の記憶。それになりたいなあって。それで今のスタイルになりましたね。
倍々作戦とは?
実 は我々おぼんろ、公演を重ねる度に動員数が倍になっているんです。観に来てくれた参加者の一人が「これは面白い!」と、違う誰かを連れてきて、連れられて 来た人がさらに違う誰かを連れてくる。そうして更に更に参加者が増えていって、結果、動員が前回公演の倍になるというこの奇跡のような現象を倍々作戦と名 付け、呼んでいるんです。前回が1359人動員だったので、次回の第10回本公演では、倍の2718人の動員を目標にしています。
目指すものは?
渋谷Bunkamuraシアターコクーンで、ロングラン公演が打てる劇団。
沢山の参加者の方たちと一緒に、コクーン目指します。
次回公演
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劇団おぼんろ『ビョードロ ~月色の森で抱きよせて~』
日程 > 5/29(水)~6/16(日)
公演詳細 > 公式HP
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