絵:Miyaha Nishimura |
前衛という文字はよくみると「前」と「衛」でした。
前にいるのに、守りに入っているというギャップが、とてもかわいいなと思いました。先に進むのがちょっとこわいからでしょうか。きっと歩いているところも、暗くてあぶないところなのでしょう。そこで絵が得意なともだちに「前衛くん」を描いてもらいました。
生きているだけでいつも何かしらの影響をうけています。
ダンスを踊ったり、歌をうたったり、セーターを編むのだって、私の中で新しいものが生まれるときはいつだって、オリジナルは存在していません。それは、だれかがどこかでやったものであるからです。
なので自分のしていることに関しても、とくに前衛的とは思っていません。 |
きっと人々は、自分の脳みそにないものに出会うと「前衛的だね」「あたらしいね」といって満足し、考えるのをやめてしまうのかなと感じます。
時代が繰り返すのは人間がすぐ死ぬからでしょうか。
例えば、50代の方が「なつかしい」と感じるものは、平成生まれの私にとってはとても新しく、前衛的に感じるものばかりです。時代にさきがけて「前衛的」と名付けられるものは、きっといつも同じようなものなのかもしれません。「前衛的」と呼ばれるか呼ばれないかは、繰り返しているものをどのタイミングでやるかの違いなのかなと感じます。
私は、前衛くんにこう言いたいと思います。
「気をつけて、まえにすすんでね!」
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